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天然の冷蔵庫・風穴のしくみ

地面に掘り下げられた風穴

風穴の点在する斜面。手前はふけ平

御嶽山の温風穴/山頂には御嶽信仰の祠と数体の石仏が並び、冬季は裏手の岩の間から暖かい空気が吹き出している

夏でも冷蔵庫中のようにひんやりとした「風穴」は、地下の岩の隙間で冷やされた空気が吹き出している場所です。そして風穴の上のほうには空気が流れ込む「温風穴」があります。「温風穴」と「風穴」の間の地下は岩の隙間に空気の通り道ができていて、夏は上から下に、冬は下から上にゆっくりと風が流れているのです。
風穴にはいろいろなタイプがありますが、氷風穴は御牧ケ原台地と千曲川の間の斜面の古い地すべり地形によるものと考えられます。
 
氷風穴では、以下のような点で蚕種、農産物、花などの保存のための好条件が保たれていました。
・外気が25℃を越えるときでも風穴の中は2〜5℃くらいに保たれ、年間通して大きな温度差がない。
・年間通して湿度が高く、100%前後で一定している。(外気の湿度は夏季100%程度〜冬季20%で推移している) *2016〜17年調べ
 
逆に温風穴の温度は、冬でも10℃以上に保たれていることが観測されています。雪の日もそこだけ雪のない不思議な風景が見られます。

冬の温風穴。雪の日もそこだけ雪が溶けている。

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